3月15日の昼頃、桜上水の啓文堂に行った既に平積みで売っていました。アマゾンはどうしたんだ……と思って戻ってからメールボックスを開くと発送連絡のメールが……。結局、その日の夜に届きました。
しかし……。
驚くべきかな。
ほとんど読むところが無い……。
ってか、収録されているゲームソフトも、自分でやったことのあるものが1つもありません。せいぜい名前だけ知っている程度か、名前すら知らないものばかりです。
なぜ?
どうして?
この本は、RetroPC.NETさんより『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』、amazonでの予約開始!を見て、すぐに予約を入れてしまいましたが、早まったかもしれません。
これほどPC-8801に思い入れがあるのに §
もちろん、PC-8801というパソコンは、私のレトロPC趣味の中で最も大きなウェイトを占めているものです。
動作しないものを含め、現在所有するPC-8801シリーズはこんなにあります。
- PC-8801 無印。テキストVRAM(ANKキャラジェネ?)不良を確認済み
- PC-8801mk2SR ただし2個目のFDドライブが純正ではないので一部ソフトのプロテクトが誤動作して遊べない
- PC-8801FR 動作未確認
- PC-8801MR 動作未確認
- PC-98DO+ 動作未確認
これに以下の3台を加えたPC-8Xコレクションは、当然私が持っているレトロPCコレクションの圧倒的最大派閥です。
- PC-8001 Ver 1.0
- PC-8001 Ver 1.1
- PC-8001mk2 (+PC-80S31)
更に言えば、PC-8801シリーズは、仕事で使用した8bitパソコンの中でも圧倒的に最大の時間を費やしたもので間違いありません。次点はたぶんX1 Turbo系ですが、比較にならないぐらい時間は少ないはずです。
これだけ思い入れがあるPC-8801であるはずなのに、本当にこの本で読む場所がほとんどありません。
なぜ?
つまり、時代が決定的に違うのか? §
この疑問への答えのヒントが、1つありました。
この本に収録されているスーパー大戦略です。
実は、私は大戦略には一言あります。特に初期の大戦略には。
その観点から言えば、スーパー大戦略というチョイスは、極めて大きな疑問符が付くのです。
なぜかといえば、大戦略の本家本元はPC-9801版であり、その成功から後になって派生したのがスーパー大戦略でしかないからです。
当然、歴史の流れから言って、PC-9801時代というのは、PC-8801時代の後に訪れたものです。
しかも、私のうろ覚えのいい加減な記憶から言うと、最初に発売されたPC-8801用の大戦略とスーパー大戦略は別物であり、このスーパー大戦略は驚くほどに後になって生まれたソフトに過ぎません。(それもそのはず、誌面を見ると1988年と書いてありますよ。1988年といえば、とっくの昔に98が黄金期を迎え、そろそろマニア層が98帝国を脅かすAT互換機に注目を始めていた頃……、とても88の時代ではない……)
ということは、私が88に向き合っていた時代と、この本を作っている人たちが88に向き合っていた時代は、ほとんど交差していないぐらいに違っているということ?
88史のターニングポイント §
そうやって考えてみると、88というパソコンは、前半と後半で全く異なる性格付けをされていたことが思い出されます。
初期の88は間違いなくビジネス向きの高級機です。
そして、名機SRの登場によって、強力なゲームマシンとしての性格を後付けされますが、それでも立場は高級機です。普及版のPC-6X系マシンと比較して紛れもなく高価かつ強力なモデルであり、おいそれと子供がねだって買ってもらえるものではありません。
しかし、PC-9801系の普及に伴って、PC-8801系はビジネス向けでも高級機でもなくなり、ホビーマシン的な方向に変わっていきます。
このターニングポイントの前と後では、もしかしたら何もかもが全て違うのかもしれません。ユーザーの傾向や、そこで使用されたソフトなど。ほとんど会話が成立しないぐらい、ユーザー層の知識や体験が違うのかもしれません。
というわけで、私の立場はターニングポイントよりも前の88を愛好する者であり、おそらくこの本を作った人たちは、ターニングポイント後の88を愛好する人たちなのでしょう。
まあ、別人種が別人種のために作った本なら、読むところがないのも当然ですね。納得するしかありません。
でもね、1つだけ言わせてもらえば §
これこそがPC-8801だ!というような印象を与えることは好ましいことではないと思います。
なぜなら、この本がアピールする88像とは違う88像は、確かにあったと思うので。
余談的感想 §
ちなみに、PC-8801mk2を使っていたという赤松健のインタビューが凄く白けて浮いているように見えるのも、おそらく同じ理由ではないかと思います。
同様に、p19の三遊亭円丈の宣言も完全にすべっていますね。
1つだけあった接点 §
ちなみに、1つだけ私個人と接点のある記述がありました。
212ページのアダルトゲームの進化系統樹に書かれたTokyoナンパストーリーというのは、88版のことを示しているとすれば、それは私が移植したものです。
ってか、名前がぜんぜん間違ってますがな。ストーリーではなく、ストリートです。ナンパもNAMPAと記述したような気がしますが、パッケージを仕事場に置いてきてしまったので確認できないな……。
(2006年3月16日16時頃追記) 確認しました。パッケージの表記は「東京ナンパストリート」、ゲーム内の表記は「TOKYO-NAMPA・STREET」です。ただし、中黒「・」は半角です。なので、表記は「東京ナンパストリート」でOKです。
(2006年3月16日17時頃追記) アホです。東京→Tokyoが正しい表記です。ナンパに目を奪われてTokyoの表記を正すのをすっかり忘れていました (汗。
でも、記事の趣旨からすればまったく傍流のソフトであり(まさにアダルトゲームではないと原作者の関野ひかるさんも言ってるし)、あまり関係ない話ですね。